お茶作りに係る方、お茶がお好きな方にとって楽しみな時期の一つである「新茶」
新茶について簡単な知識と楽しみ方についてまとめたいと思います。
・桜前線の様に新茶も南から芽吹き始めます
3月の後半頃から南九州からだんだんに咲き始める桜の様に、新茶の便りも4月上旬ごろより南の種子島辺りから徐々に収穫の便りが届いて参ります。鹿児島、九州を皮切りに静岡、三重、奈良と順番が前後する事もありますが桜前線のように収穫が進んで参ります。
当店は熊本県にある店舗ですので、熊本も南の温暖な気候にある場所(芦北地方や人吉地方)から順次摘まれて、山間部や気温の上昇しにくい場所(鹿北地方や阿蘇方面)では遅く収穫される傾向にあります。
また、お茶にも品種があり、早生品種と晩生品種で同じ場所でも摘まれるタイミングが異なります。
その年の最初に採るお茶を一番茶と呼び、一般的にその一番茶を新茶と呼びます。
新芽が出たらハイ収穫という訳にもいかず、収量を考え開いた葉の数や、葉が十分に水分を蓄えるタイミング等を見計らい、成長して固く苦みの出る葉になる前に摘みきってしまわなければならず、短期勝負で一気に仕上げていきます。
・新茶の良し悪し?
新茶の収穫、製造時期に入ると、摘んだ葉を加工し製造まで深夜、朝まで行うこともあり、収穫の1,2週間は体力勝負でお茶を仕上げていきます。
そのようにして出来たお茶を生産者が茶そのものの良さをお届けする場合もあれば「茶商」と呼ばれる販売店の目利きのプロがバトンを受け継ぎ品質、特徴をしっかり見極めてより重ねの深みある味に仕上げて作って販売し、皆様の元へお届けしていきます。
味の好みは千差万別。これが良いという物差しは人それぞれですので、買う時にしっかりこだわりを聞いて飲んでみるとまた一味も二味も違う味わいが楽しめるんじゃないかと思います。
ちなみに一番茶の特徴としてうま味成分であるアミノ酸が豊富に含まれます。うま味の感じ方によって市場価格が決まることが多いですが、うま味やアミノ酸含有量だけがお茶のおいしさではありませんので、自分の好みを探してみることも楽しいです。
おちゃいち山陽堂では毎年3月より予約新茶を承っております。
その年その年で変わるお茶の特徴をしっかり見極めて、予約でしか味わえない新茶を毎年ご提供しております。年に一度のお楽しみです。